未払金と未払費用の違いとは

会計・税務Q&A

名称が似た科目に未払金と未払費用というのがあります。
これらの科目をどのように使い分ければよいか?
この点、「企業会計原則【注5】経過勘定項目について」において以下のように定められています。

未払費用
未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供さ
れた役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような
役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているもの
であるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計
上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等によ
る未払金とは区別しなければならない。

つまり、継続して役務提供される取引において、役務提供が完了しておらず債務が未確定の未払が「未払費用」、単発で完結する取引、あるいは継続して役務提供される取引であって、役務提供が完了しており債務が確定している未払が「未払金」となります。

なお、継続して役務提供される取引において未払のものが「未払費用」、継続して役務提供される取引ではなく、単発で完結する取引の未払が「未払金」としている実務もあると認識していますが、筆者個人の見解としては、あくまで未払費用は経過勘定項目であるため、継続して役務提供される取引であって、役務提供が完了しており債務が確定していない取引を未払費用とすることは会計理論的には誤っているのではと考えています(科目を分けると煩雑となりるため、実務上は分けない対応も考えられるとは思います)。

また、似たような科目に買掛金もありますが、買掛金と未払金の違いは、前者が企業が行う主たる営業活動に伴って負担する債務に対し、後者が主たる営業取引以外の活動によって企業が負担することになる、支払期限が1年以内に到来する流動負債(正常営業循環基準外の取引のため、ワンイヤールールに従い、支払期限が1年超のものは長期未払金などで固定負債区分)という点で異なります※。

※企業会計原則・貸借対照表原則四(2)、注16が参考となります。

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