会計・経理向け おすすめ資格一覧 キャリアアップ・スキルアップに資格試験を活用しよう!

会計・経理系の資格は種類が多く、年収やキャリアアップのために資格を取得しよう!と思っても、どの資格を勉強すれば良いか悩みますよね?

また、資格試験の勉強をしていると、資格なんて意味ない、そんなことに時間使うより実際に仕事した方がよっぽど仕事できるようになるなどの声もあり、頑張って勉強しても意味ないのでは?と不安に思い、資格試験の勉強に身が入らないということもあるでしょう。

この記事では、資格取得の意味と、会計・経理系資格にどんな資格があるのかの紹介、それぞれの資格がどんな人におすすめな資格なのかを解説していきます。

※各資格の難易度やおすすめ度は筆者の個人的な見解です。

資格取得のメリット・デメリット

資格取得のメリット-資格試験勉強の3つの目的とは

資格試験の勉強の目的は大きく3つに分けられると思います。
そして、それがそのまま資格を取得することのメリットにつながります。

目的① 特定の業務をするにあたり、資格が必要(資格の取得自体が目的)

目的② 年収・キャリアアップのため(就職・転職・社内評価の要件になっている、知識・能力のアピールのため、などの理由で資格が必要)

目的③ スキルアップのため(資格試験の勉強を通して、特定分野の網羅的な知識習得のために資格試験を利用

資格試験の勉強をすることは、上記の目的の1つあるいは複数目的の達成のためであり、まずは自身がどの目的のために、どの資格試験の勉強をするか決めたうえで、資格試験に挑戦することが大事です。

自身で納得して資格試験の勉強をする理由を明確に言語化できていれば、資格試験の勉強など意味がない、という外野の声に惑わされずに済みます。

資格取得のデメリット

①お金がかかる
資格を取得・維持するためには、講座受講料やテキスト代、受験料、ライセンスの維持費用などお金がかかります。
このデメリットの解消を減らすために、会社の補助や国の制度(教育訓練給付制度)を積極的に利用すると良いでしょう。

②資格試験の勉強に時間を使う
資格試験の勉強をするということは、当然、他に使えたであろう時間(趣味、家族との時間など)を使うことになります。

経理・会計の基本資格-まずはここから始めよう

日商簿記検定(3級)

【試験概要】
日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験。試験科目は商業簿記のみ。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】2~3か月(80~100時間)

【難易度】

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理志望・経理(上場・非上場)・会計事務所で働いている人。
学生で経理志望・あるいは未経験で経理転職しようと考えている方は、日商簿記2級までは欲しいため、まずは3級から勉強を始めましょう(最低限、日商簿記3級は必要だと思います)。
経理以外でもビジネスをするうえで最低限の会計知識は必要なため、ビジネスパーソンが最低限持つべき資格だと思います。

日商簿記検定(2級)

【試験概要】
日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験。試験科目は商業簿記・工業簿記(原価計算含む)。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】3~5か月(250~300時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★★★

【こんな人におすすめ】
経理志望・経理(上場・非上場)・会計事務所で働いている人。
学生で経理志望・あるいは未経験で経理転職しようと考えている方は、まずは2級取得を目標とするのがおすすめです。
また、現在経理でも2級取得をされていない方は、きちんと理解したうえで仕事をするためにも、2級までは取得した方が良いかと思います。

日商簿記検定(1級)

【試験概要】
日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験。試験科目は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】6か月~1年(400~600時間)

【難易度】★★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場)志望・経理(上場)で働いている人。
上場経理で働くのなら、スキルアップのためにも取得したい資格(仕事で財務会計のみしか使わない方は、1級ではなく税理士試験の簿記論・財務諸表論を目指すのもあり)。
実際の上場経理で働いている人でも取得している人は少数のため、上場経理に就職・転職したい方にはアピールポイントになるためおすすめです。
一方、非上場経理・小規模会計事務所で働き続ける予定の方には、ややオーバースペック。

経理事務パスポート検定(PASS)3級~1級

【試験概要】
日本CFO協会とパソナが共同で開発した資格で、経理の業務標準として定着した経済産業省「経理・財務サービススキルスタンダード」に準拠しています。公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~2か月(30~50時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場・非上場)で働いている人。
経理の実務全般を学ぶのに利用するには良い資格と思います。
取得したからといって評価が上がる類の資格ではないと思いますが、実務のために基礎知識を強化するためという目的のために利用するのが良いでしょう。

経理・財務スキル検定(FASS)検定

【試験概要】
経理・財務スキル検定(FASS検定)は、経済産業省が開発した「経理・財務サービス・スキルスタンダード」をベースの、経理・財務分野における客観的な実務知識・スキルの習得度を測る検定試験です。
試験範囲は、資産・決算・税務・資金の4分野から出題されます。公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~2か月(30~50時間)

【難易度】★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場・非上場)で働いている人。
経理・財務分野を広く学ぶのに良い資格だと思います。有用の勉強を通して得るものは多いと思いますが、若干知名度が微妙か。
現状では取得したからといって評価が上がる類の資格ではないと思いますが、実務のために基礎知識を強化するためという目的のために利用するのが良いでしょう。

ビジネス会計検定試験

【試験概要】
財務諸表の知識や分析力を問う検定試験。
簿記が決算書の作成者側の試験なのに対し、こちらを利用者側としての能力を問う試験になります。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】2か月~1年(50~500時間)

【難易度】★★★★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場・非上場)・会計事務所で働いている人。
会計数値を作る側の仕事をしていると、どうしても視野がミクロになりがち。
決算書を作った後に、数値を分析するという視点と能力を向上させるのに利用すると良いでしょう。

建設業経理士検定試験(4級~1級)

【試験概要】
建設業経理に関する知識と処理能力の向上を図るための資格試験。公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~5か月(20~300時間)

【難易度】★★★★★

【おすすめ度】
建設業界の経理でしたらおすすめ(★★★★)ですが、それ以外では評価にはつながらないと思います。

【こんな人におすすめ】
建設業界の経理(上場・非上場)で働いている人。

IFRS検定(国際会計基準検定)試験

【試験概要】
IFRS (国際財務報告基準)の知識と理解力を測定する検定試験。公HPはこちらから。

【取得までの期間】3~4か月(150~200時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場)・監査法人勤務などで、IFRSの知識が必要な人。

財務報告実務検定試験【連結実務演習編】

【試験概要】
連結財務諸表の作成に必要な基礎資料の作成から連結財務諸表が作成されるまでのデータの流れや手順、開示のルールなどの連結財務諸表を作成し開示するまでの知識が問われる検定試験。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】不明

【難易度】★★~★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場)で働いている人。
実務で連結会計に携わっており、連結会計の知識を強化したい方におすすめ。

財務報告実務検定試験【開示様式理解編】

【試験概要】
財務報告をするために必要な開示能力のスキルとして決算・財務報告プロセスに必要な内部統制までを体系的に広範囲に理解しているかが問われる検定試験。公式HPはこちらから。

【取得までの期間】不明

【難易度】★★~★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場)で働いている人。
実務で金商法開示に携わっており、開示実務の知識を強化したい方におすすめ。

全経 法人税法能力検定(3級~1級)

【試験概要】
全国経理教育協会が主催する税法能力検定試験。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~2か月(30~80時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場・非上場)・会計事務所で働いている人。また、監査法人勤務で税務の知識を強化したい方にもおすすめ。さらに税務の知識を強化したい場合は、お金はかかりますが、税理士試験のテキストを読む、予備校の税理士・法人税法科目のみの講義動画を視聴するなどもあり。

取得したからといって評価が上がる類の資格ではないと思いますが、実務のために基礎知識を強化するためという目的のために利用するのが良いでしょう。

対象者は限定的ですが、所得税法能力検定・相続法能力検定もあるため、実務で携わる方はこれらに挑戦するのもおすすめです。

全経 消費税法能力検定(3級~1級)

【試験概要】
全国経理教育協会が主催する税法能力検定試験。
公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~2か月(20~50時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
経理(上場・非上場)・会計事務所で働いている人。また、監査法人勤務で税務の知識を強化したい方にもおすすめ。さらに税務の知識を強化したい場合は、お金はかかりますが、税理士試験のテキストを読む、予備校の税理士・消費税法科目のみの講義動画を視聴するなどもあり。

取得したからといって評価が上がる類の資格ではないと思いますが、実務のために基礎知識を強化するためという目的のために利用するのが良いでしょう。

給与計算実務能力検定試験(2級~1級)

【試験概要】
給与計算業務について、その知識・実務能力を客観的に判定するための検定試験。公式HPはこちらから。

【取得までの期間】1~2か月(30~50時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
給与関連の知識を強化したい方。
取得したからといって評価が上がる類の資格ではないと思いますが、実務のために基礎知識を強化するためという目的のために利用するのが良いでしょう。

高難易度資格-さらなるキャリアアップを求めて

公認会計士

【試験概要】
短答式試験(試験科目は財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法の4科目)と論文式試験(試験科目は会計学、監査論、租税法、企業法及び選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち、受験者があらかじめ選択する1科目)の5科目)に合格する必要がある。
試験に関する公式HPはこちらから。公認会計士協会がサイトにて資格の魅力についての記事があります。

【取得までの期間】1年半~3年(3,000~5,000時間)

【難易度】★★★★★

【おすすめ度】★★★★★

【こんな人におすすめ】
会計系資格の最高峰。会計監査が独占業務。
難易度はかなり高いですが、試験に合格し監査法人に就職すれば初年給から500万円スタートで、普通にキャリアを積めば10年度で年収1,000万円はいきます。
働きながら合格するのはかなり難しいため、大学生か専念生になる覚悟が必要か。

米国公認会計士(USCPA)

【試験概要】
試験科目は「FAR(財務会計)」、「BEC(企業経営環境・経営概念)」、「REG(諸法規)」、「AUD(監査および諸手続き)」の4科目。

【取得までの期間】1年~2年(1,000時間~1,200時間)

【難易度】★★★★

【おすすめ度】★★★★★

【こんな人におすすめ】
米国の公認会計士資格。日本では独占業務はありませんが、資格を取得すればBig4への就職なども可能に。また、英語×会計の能力をアピールすることもできます。

米国公認管理認会計士(USCMA)

【試験概要】
試験科目は、Financial Planning, Performance and analytics (財務計画、業績管理と分析)とStrategic Financial Management (戦略的財務管理)。

【取得までの期間】6~9か月(300~500時間)

【難易度】★★★★

【おすすめ度】★★

【こんな人におすすめ】
米国では米国公認会計士と2大資格とされているそうです。日本では米国公認会計士の方が評価が高いですが、英語力と管理会計の知識を強化・アピールしたい方向け。

税理士

【試験概要】
資格取得までには、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)し、5科目に合格する必要あり。

【取得までの期間】3年~8年(4,000~6,000時間)

【難易度】★★★★★★★★★

【おすすめ度】★★★★★

【こんな人におすすめ】
税務の独占業務資格。社会人が働きながら取得を目指せる会計系資格のなかでは最高峰。独立することも可能。科目合格制であり、1科目ずつ取得し最終的に5科目そろえることで資格を取得することができる。会計事務所、経理(上場・非上場)勤務でよりハイキャリアを歩みたい方、将来独立を考えている方におすすめです。

米国税理士(EA)

【試験概要】
試験科目は、Individuals(個人の税務申告全般:連邦個人所得税法など)、Businesses(法人の税務申告全般:事業関連の連邦税法、パートナーシップなど)、Representation, Practice and Procedures(代理業務・諸手続など)

【取得までの期間】3~5か月(200~300時間)

【難易度】★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
国際税務に携わっている方。単体で効力が発揮するというよりは、税理士と組み合わせて英語力、国際税務のアピールに取得することを検討しても良いでしょう。

中小企業診断士

【試験概要】
1次試験と2次試験、口述試験に合格する必要あり。
1次試験は、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理、運営管理(オペレーション・マネジメント)、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目。
2次試験は中小企業の診断及び助言に関する実務の事例問題。

【取得までの期間】1年~2年(1,000時間程度)

【難易度】★★★★

【おすすめ度】★★★

【こんな人におすすめ】
日本で唯一の経営コンサルタントの資格。企業を取り巻く幅広い知識を学ぶことができる。

まとめ

資格はキャリアの幅を広げてくれます。もちろん実務が大事ではありますが、実務経験+資格でより実務能力の向上も期待できます。
会計・経理の仕事は数少ない、勉強を続けることが実務能力の向上にもつながる仕事だと思いますので、日々勉強し成長していきましょう!

この記事が、資格の勉強をしようと思っているけど、どの資格を取ればよいか迷っている方に少しでもお役に立てましたら幸いです。

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