この記事では、公認会計士、税理士や会計事務所勤務、経理の税務担当など、実務で法人税の知識が必要な方向けに、目的別で法人税のおすすめ本を紹介します。
法人税おすすめ本
初心者向け
まずは理論的なところから、法人税の基礎や全体像を学びたいという方におすすめの本。
ただ、400頁とそこまでぶ厚い本ではないですが、初心者が始めて読む基本書としては若干重たいかもしれませんので、まずは国税庁ウェブサイトで公開されている税大講本を読んだ後に読むのがよいかもしれません。
法人税の勉強(理論)と実務の架け橋になる、初心者向けおすすめ本です。
法人税の概要から別表4・5のつながり、基礎的な税務調整項目の解説など、ちょっと法人税を勉強したことがある方が、実務はどうなのかを学ぶために読んで欲しい一冊です。
主要な税務項目について、基本的な解説と計算例、判例・裁決例、申告書記入例など横断的に解説されており、とても有用です。
公認会計士協会が毎年出版している法人税の本。
税務だけでなく、会計と税務について解説されているため、会計ではこうなっているが、税務では?という思考回路で法人税を学べると思いますので、公認会計士が法人税を勉強するうえで理解しやすいと思います。
実務で常に手元に置いておくべき本
法人税について、根拠を明確に、網羅的に解説している本。
実務で税務上の論点を検討するときに、まずはその論点の概要をおさらいするのに有用です。
通読するというよりは辞書代わりに使う本。
他のどの本よりも網羅的に載っているため、絶対に持っておきたい一冊です。
実務では、法令だけでなく通達も根拠にします。
ただ、通達をどのように解釈すれば良いのか悩むこともありますが、そんな時に使えるのが本書です。
一度買えばかなりの年数使える本のため、一冊買って手元に置いておくのをおすすめします。
申告書の作成おすすめ本
簿記3~2級レベルで税務の知識が全くない新入社員に対して、税理士がイチから税務会計の基礎知識の解説と具体的な申告書の書き方を教えていくといった形で、全編会話形式になっているためとても読みやすいです。この一冊をマスターすれば中小企業の申告書程度であれば問題なく対応できるようになるでしょう。
上記の続編で、特に別表4・5の役割、記入方法、相互関連、決算書のつながりなどについて丁寧に解説されています。また、還付申告や修正申告の際の別表4・5の書き方についての記載もあります。
少し古い本ですが、各所別表の作り方や各別表の作り方の後にコラム「CHECK!プロの目」に金融機関や税理士向けにどういった観点でチェックすると良いのか解説されています。
また、申告書作成の本の中でも数少ない、勘定科目内訳書や法人事業概況説明書などの作成方法についても解説されている本であり、実務で重宝します。
少し古いので使えない箇所もありますが、今でも変わらない箇所も多く、勉強なります。
この本を読み終わったあとには、著者が言う(本書のはしがきより引用)、
「租税法律主義の下、税務の取扱いはすべて法令の規定がベースとなっており、申告書とて例外ではありません。条文との関係をあまり意識せずに皆、申告書用紙を利用して税務上の各種計算等を行っていますが、実は申告書の各別表は税法の条文どおりに出来上がっており、左上から右下にかけての計算が、税法で要求する計算過程となっています」
「条文解釈以前の話として、適用要件、限度額計算等については、すべて法令に記載されているのですから、それを読まずして税務上の計算等を行ってもあまり意味がなく、また効率的ではありません。条文と関連付けて申告書の各欄を見つめることが重要であり、法令そのものを読み込むことで、法人税法に対する理解の度合いが格段に高まるはずです」
ということの意味が分かるはずだと思います。
また、法人税の個別の税目を勉強する際も、法人税法の専門書の個別税目の解説を読む⇒該当の法令を読む⇒計算例を各種別表に書き込むといったことをすると、より深く法人税法を理解できるかと思います(この勉強法は、鈴木基史『最新 法人税法』のColum33法人税法の勉強の仕方に記載の方法です。おすすめですよ)
こちらも少し古い本ですが、修正申告書の書き方についての本はあまり出版されていないかと思いますので、併せて紹介しておきます。
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