税務は法律ですので、税務判断を下すにあたっては書籍・専門雑誌の解説などの二次情報のみで安易に結論を下すのではなく原点となる条文にあたることが重要です。
(一時情報にあたることの大切さについては過去記事「【会計税務】基準・条文にあたる癖をつけようって話」でも触れていますのでよかったら合わせてお読みください)
ただ、条文を読み、適切に解釈をするにあたっては、法律条文固有のお作法や読み方のテクニックを学ぶ必要があります。
この記事では、税法条文の読み方を勉強するためのおすすめ本を紹介します。
①『そうだったのか!税法条文の読み方』税理士法人トーマツ 中島礼子、西村美智子
税法条文の読み方を勉強しようという方に、まずは最初に読んでほしい一冊です。文体も読みやすく、200頁ほどと専門書としては比較的薄いにも関わらず、とても内容は濃く、実務的です。
第2章の条文読解のテクニックでは、条文の()書きを飛ばして読むために色をつける、番号を付けるなどのテクニックの紹介や図にして理解しやすく加工して理解するなどの各種テクニックが紹介されています。また、第5章実務情報色々では、実務に役立つ情報源の紹介がされています。
②『そうだったのか!組織再編条文の読み方』税理士法人トーマツ 中島礼子
こちらは万人が読む必要があるとは思いませんが、仕事において組織再編の税務を検討する機会がある方は、①『そうだったのか!税法条文の読み方』と合わせてこちらも読まれるのをおすすめします。
③『税法の読み方 判例の読み方』伊藤義一
こちらは①と同じくらい、仕事で税務条文を読む必要がある方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
①と比較して少し文章が固く読みずらくはありますが、条文の読み方だけでなく、税務の体系(第1章 税法の構成)から始まり、第2章法令解釈の必要性とその原理、第3章税法の読み方、第4章判例の読み方と、単なる条文の読み方のテクニックだけでなく、条文読解に必要な背景知識も併せて学ぶことができる良書です。
④『判例に学ぶ 税法条文の”実践的”読み方』税理士法人トーマツ 稲見誠一 監修 梅本淳久 著
こちらは上記①『そうだったのか!税法条文の読み方』と③『税法の読み方 判例の読み方』を読み、一通り条文の読み方を理解したあとに読むのをおすすめします。
この本では判例を題材として、どのように条文等を読み、解釈し、結論を導いていくのかの思考プロセスを体験できるため、条文の読み方の基礎を勉強した型がそれを体得する練習に使えると思います。
⑤『条文の読み方 第2版』法制執務・法令用語研究会
税法固有ではなく、法律条文全般の読み方の本ではありますが、条文読解の基礎知識・法令用語について網羅的に書かれているため、条文読解にあたっての基礎知識・法令用語をざっと勉強したりに使えますし、条文を読んでこの用語の意味を忘れてしまった際の辞書的な使い方としても役立ちます。
読む順番としては、①『そうだったのか!税法条文の読み方』の次か、③『税法の読み方 判例の読み方』の次といったところでしょうか。
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