公認会計士(CPA)の年収は? 統計データ・大手予備校・転職エージェントサイトの調査から見えてきた年収の実態とキャリア別の年収とは

公認会計士受験生・目指そうか考えている方にとって、公認会計士になるといくら稼げるのだろうという点は関心が高いでしょう。

また、既に公認会計士の方も自身のキャリアを考えるにあたって、会計士が一般的に転職する業界毎にどのくらいの年収になるのかは興味があるかと思います。

しかし、ネットで公認会計士の年収を検索しても、各サイトの記事には少しバラツキがあるため、この記事ではこれらの調査結果をまとめてみました。

それによって、公認会計士の年収が実際はどのくらい期待できるかをより実態に近いベースで算出できるのではと考えています。

統計データ・大手予備校・転職エージェント調査から見えてきた公認会計士の年収の実態

統計データによる公認会計士の年収

厚生労働省 令和5年度「賃金構造基本統計調査」

公認会計士・税理士全体の平均年収 約746万円※1

企業規模別
従業員1,000人以上の企業の公認会計士・税理士の平均年収 約922万円※2
従業員100~999人以上の企業の公認会計士・税理士の平均年収 約718万円※3
従業員10~99人以上の企業の公認会計士・税理士の平均年収 約706万円※4

※1 出典:厚生労働省 令和5年度「賃金構造基本統計調査」より年収を推計

※2 出典:厚生労働省 令和5年度「賃金構造基本統計調査」より年収を推計

※3 出典:厚生労働省 令和5年度「賃金構造基本統計調査」より年収を推計

※4 出典:厚生労働省 令和5年度「賃金構造基本統計調査」より年収を推計

※5 公認会計士・税理士の統計データであり、税理士の情報が含まれています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、税理士の年収も含まれてしまうため、公認会計士のみの統計データではありません。

ただ、税理士で従業員数1,000人以上の企業で働いている人は少ないと思われ、一方、公認会計士は大手監査法人や大企業の企業内会計士として働く方が傾向として多いことを考えますと、従業員1,000人以上の企業の公認会計士・税理士の平均年収 約922万円が公認会計士の実際の年収に近いと考えられます(統計データでは、平均年齢34.3歳で平均年収922万円のため、肌感覚とも近いです)

大手予備校3社の記事による公認会計士の年収

TAC

TACのウェブサイトでは、監査法人勤務の公認会計士の役職別の年収について、以下のように紹介されています。

出典:TACウェブサイト「(最新版)公認会計士の年収は本当に高いのか。年収でみる、公認会計士を目指す価値」

大原

大原のウェブサイトでは、監査法人勤務の公認会計士の役職別の年収について、以下のように紹介されています。

スタッフ:スタッフ(年収400~800万円前後)
マネージャー(年収800~1,200万円前後)
パートナー(役員クラス)(年収1,500万円前後)

出典:大原ウェブサイト「公認会計士の平均年収は?年収の上げ方とキャリアパスも解説!」

CPA会計学院

CPA会計学院のウェブサイトでは、監査法人勤務の公認会計士の役職別の年収について、以下のように紹介されています。

また、会計コンサルタントの場合は以下の年収が期待できると紹介されています。

出典:CPA会計学院ウェブサイト「公認会計士の年収は?1000万、2000万、3000万稼げる例」

転職エージェント3社の記事による公認会計士の年収

MS-Japan

MS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」のデータから集計した、公認会計士の年収は以下のようです。

平均現在年収 1,021百万円
中央値 950万円

また、MS-Japanのウェブサイトでは年齢別・業種別での公認会計士の年収が解説されており、それぞれ以下のような結果になっていました。

なお、監査法人の役職別年収は以下と紹介されていました。

出典:MS-Japanウェブサイト「【公認会計士の年収】平均年収・中央値、年収アップの方法など」

ヒュープロ

ヒュープロのウェブサイトでは、監査法人勤務の公認会計士の役職別の年収について、以下のように紹介されています。

1~4年(スタッフ) 年収500万~750万
4~8年(シニア)  年収750万~800万円
8~12年(マネージャー) 年収800万~1200万円
12年~16年(シニアマネージャー) 年収1200万~1500万円

出典:ヒュープロウェブサイト「公認会計士で年収を1000万円を超える!!エージェントを有効活用しよう!

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアのウェブサイトでは、監査法人勤務の公認会計士の役職別の年収について、以下のように紹介されています。

スタッフ 年収450~600万円
シニアスタッフ 年収600~850万円
マネージャー 年収900~1,200万円
パートナー 年収1,500万円~

出典:ジャスネットキャリアウェブサイト「会計士業界年収動向 2023【監査法人編】

統計データ・大手予備校・転職エージェント調査から見えてきた年収の実態

統計データ、大手予備校・転職エージェント各社のウェブサイトから、公認会計士の年収は、キャリアのスタートは500万円~600万円程度。そこから10年前後でマネージャーに昇進し1,000万円前後まで到達することがわかりました。

公認会計士の資格を取得すれば、大体の人が年収1,000万円までは到達します。
しかし、監査法人でシニアマネージャー・パートナーと出世していくのも年々厳しくなり、また、激務であることから、近年は監査法人から別の業界へ転職していく人も多数います。

転職先の傾向としては、安定・高収入を求めて大手上場企業に転職する方、さらなる成長や高収入を目指してハードな激務系であるFASやファンドに転職する方、独立を意識してFASや税理士法人・会計事務所に転職する方など様々です。

そこで次は公認会計士の主な転職先と転職先毎の年収も紹介していきます。

多様化する公認会計士のキャリア 転職先別の公認会計士の年収

これから紹介する年収ははあくまで一例です。
特に事業会社は業界・業種や会社規模によっても年収が大きく異なりますので、参考程度に捉えてください。

大手上場企業・経理

スタッフ 350~700万円
主任 400~850
課長 750~1,250
部長 950~1,500

ベンチャー企業・経理

スタッフ 300~600万円
主任 350~750
課長 650~1,200
部長 850~1,300

大手上場企業・経営企画

スタッフ 350~700万円
主任 400~850
課長 750~1,250
部長 950~2,000

ベンチャー企業・経営企画

スタッフ 350~600万円
主任 450~750
課長 650~1,200
部長 850~1,500

大手上場企業・内部監査

スタッフ 350~700万円
主任 400~850
課長 750~1,250
部長 950~1,500

ベンチャー企業・内部監査

スタッフ 300~600万円
主任 350~750
課長 650~1,000
部長 750~1,300

FAS

アソシエイト 500~850
シニアアソシエイト 750~1,400
マネージャー 1,100~1,800
ディレクター 1,500~2,000
パートナー 2,000~

ファンド

アナリスト 700~950
アソシエイト 850~1,800
ヴァイスプレジデント 1,100~3,000
ディレクター 1,800~4,000
マネージングディレクター 2,500~

税理士法人・会計事務所

スタッフ 年収400~650万円
シニアスタッフ 年収600~900万円
マネージャー 年収900~1,300万円
パートナー 年収1,500万円~

今回紹介した転職先の具体的な業務内容や他にどのような選択肢があるのか知りたい方は以下の書籍が参考になりますので、気になったら読んでみてください。

さらに一歩進んで、転職することも意識しているようであれば、こちらも参考になります。

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