企業価値評価(バリュエーション)は、ファイナンスの基礎知識から高度な会計・税務・法律の専門知識まで求められる複雑な分野です。「実務で必要になったけれど、どの本から読めばいいかわからない」「自分の目的に合った専門書を探したい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業価値評価を学ぶためのおすすめ本を、初心者向けの入門書から目的別の専門書まで分かりやすく整理してご紹介します。
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企業価値評価の本を選ぶポイント
企業価値評価を学ぶ書籍を選ぶ際は、ご自身の「現在の理解度」と「学習の目的」を明確にすることが重要です。
企業価値評価の活用シーンは多岐にわたります。経営企画やM&A実務で使うのか、会計監査や決算に対応するためなのか、それとも同族会社やスタートアップの株価を算定したいのかによって、参照すべき書籍は大きく異なります。
まずは全体像を把握できる入門書からスタートし、必要に応じて「会計」「税務」「裁判」「M&A」などの目的に合わせた専門書へとステップアップしていくのがおすすめです。
初心者でもわかりやすい!企業価値評価の入門書5選
まずは「企業価値評価とは何か」という基礎概念や全体像をスムーズに理解したい方向けの入門書です。
図解でわかる企業価値評価のすべて
図解を中心に視覚的な理解を促す構成になっており、基礎知識をバランスよく学べる一冊です。
バリュエーションの教科書
実務の流れに沿ってわかりやすく解説されており、初めて評価業務に触れる方のファーストステップに最適です。
MBAバリュエーション
ビジネススクールの講義ベースで体系化されており、理論と実践のバランスに優れています。
ケーススタディ 企業価値評価
具体的な事例を通じ、理論がどのように実務へ適用されるのかを感覚的に理解できます。
企業価値評価 入門編
数式や専門用語に苦手意識がある方でも読み進められるよう、丁寧に噛み砕いて解説されています。
企業価値評価 【実践編】
入門編からのステップアップとして、簡単な試算や実践的な思考プロセスを学べます。
基礎から応用まで深める!企業価値評価の基本書6選
実務の現場で手元に置き、論理的根拠を確かめながら作業を進めるための標準的な専門書・基本書です。
企業価値評価ガイドライン
評価の実務指針や標準的な手引きとして、実務家の共通言語となっている重要書籍です。
企業価値評価ガイドラインについては、公認会計士協会HPにおいても公開されています。
リンクなどは別記事「公認会計士協会が公表している価値評価関連の指針等一覧」にありますので適宜ご参照ください。
バリュエーションの理論と実務
ファイナンス理論の背景から実務への落とし込みまでを深く学べる本格的な解説書です。
企業価値評価の実務Q&A
現場で直面しやすい疑問やイレギュラーな論点がQ&A形式で網羅されています。
企業価値評価 バリュエーションの理論と実践
理論的バックボーンを厳密に理解しつつ、実際のバリュエーションモデル構築に役立つ名著です。
資産価値測定総論
各種アプローチ(インカム・マーケット・コスト)の理論的根拠を深く掘り下げて学びたい方におすすめです。
M&Aや株式譲渡の実務に役立つ!取引目的の評価本4選
実際のM&A、組織再編、株式譲渡の交渉現場において、価値をどのように算定し交渉に生かすかを解説した書籍です。
Investment Banking 投資銀行業務の実践ガイド
グローバルな投資銀行実務の標準であり、DCF法や類似会社比較法の具体的なモデリング手法が詳細に解説されています。
原著はこちら
Investment Banking Workbook 投資銀行業務の演習問題集
上記ガイドの内容を実際に計算・アウトプットしながら定着させるための演習書です。
M&A 企業価値算定の教科書
価値算定から買収価格の決定に至るプロセスをわかりやすく体系化しています。
ところどころ誤字脱字がある点は気になりますが、マーケットデータをどこから拾うのかなどについても言及のある点は良いです。
バリュエーションの理論と応用
取引の実際の現場で生じる複雑な調整項目や、応用的アプローチを学ぶのに適しています。
紛争や裁判に対応する!裁判目的評価の本3選
株主間紛争、株式買取請求権の行使、損害賠償請求など、裁判や係争が絡む場面での株価算定に特化した専門書です。
係争事案における株式価値評価 第2版
裁判所で議論となる論点や、係争時における価値評価の考え方が深く考察されています。
判例分析 会社・株主間紛争の非上場株式評価実務
実際の判例をもとに、裁判所がどのようなロジックで株価を認定したのかを分析・解説した書籍です。
裁判実務にみる 非上場株式評価の手法と選択
法的な視点とファイナンスの視点がいかに交差するかを把握でき、紛争対応の実務に直結します。
財務諸表やPPAに対応!会計目的評価の本6選
減損テスト、PPA(配分手続)、時価会計など、財務等において公認会計士や監査法人へ説明を求められる評価実務に対応した書籍です。
時価評価ガイドブック 金融商品の時価算定と株式価値評価の実務
金融商品や株式の時価評価における会計基準上の要件と計算実務を網羅しています。
会計で使う「割引現在価値」入門 (図解でスッキリ)
企業価値評価の本ではありませんが、企業価値評価を行うにあたって行う割引計算について学ぶことができます。また、本書のコラムでは公開情報をもとにβをExcelで計算する方法なども紹介されています。
VCファンド・VC投資の会計・評価実務Q&A
ベンチャーキャピタル投資における評価手続や決算対応の疑問に即したQ&A集です。
スタートアップの株式価値評価や種類株式を発行している場合の価値配分などについても記載あります。
減損テスト 現場の教科書
固定資産やのれん、株式の減損テストにおける将来キャッシュ・フローの算定や割引率の設定方法を解説しています。
M&AにおけるPPAの実務
M&A完了後のPPA(取得原価の配分)手続における基本的な流れと注意点をまとめています。
PPAの評価 無形資産・動産の基礎から実務まで
商標権や顧客関連資産など、無形資産の具体的な評価手法に踏み込んだ一冊です。
M&A無形資産評価の実務 第4版
識別された無形資産の評価について、実務で採用されるモデルやパラメータ設定を高度に解説しています。
適切な税務判断を行う!税務目的評価の本6選
財産評価基本通達に基づく相続・贈与目的の評価や、法人税法上の適正株価算定など、税理士実務や同族会社対策に必須の本です。
不動産・非上場株式の税務上の時価の考え方と実務への応用
税務上の「時価」の概念と、実際の算定にあたっての留意点が整理されています。
頻出事例・スキームにみる 非上場株式の評価Q&A70
実務で遭遇しやすい取引パターンや再編スキームごとの評価方法をQ&Aで解説しています。
Q&A 事業承継をめぐる 非上場株式の評価と相続対策
事業承継対策を進める際にかかわる株価引き下げ対策や相続税評価のポイントが分かります。
株式・公社債評価の実務
評価明細書の作成にあたって必要な基礎知識と具体的な計算手順を網羅しています。
詳説 自社株評価Q&A
複雑な権利関係や会社規模の判定など、自社株評価における細かい疑問を解消するのに役立ちます。
評価明細書ごとに理解する 非上場株式の評価実務
実際の申告書・明細書の様式に沿って、書き方や計算プロセスを具体的に理解できます。
スタートアップや非上場企業に特化した評価本5選
まだ売上や利益が不確実なスタートアップや、流動性のない非上場企業の評価に特化した書籍です。
スタートアップ・バリュエーション
J-KISSや優先株式の発行、次回ラウンドを見据えた価格設定など、スタートアップ独特の価値算定を解説しています。
税務弘報 2024年 08 月号
非上場株式・スタートアップ評価を取り巻く論点が特集されています。
ケース別 非上場会社の株価決定の実務
株主構成や会社規模の違いに応じた非上場企業の株価算定ケースが幅広く収録されています。
Valuation for M&A
M&Aにおけるバリュエーションの実務的なフレームワークを提示しており、成長段階にあるスタートアップの買収や資金調達シーンにおける評価アプローチにも応用できる一冊です。
Fundamentals of M&A, Private Equity & Valuation ThriftBooks
M&Aやプライベートエクイティ投資の基礎から企業価値評価の手法までを体系的に学べ、グローバルな視点でスタートアップの価値を捉える力を養うことができます。
ファイナンスや実務の視野を広げる!おすすめの参考書籍9選
バリュエーションの周辺領域であるコーポレートファイナンス、M&A戦略、バイアウト実務の知見を広げるための参考書です。
高値づかみをしないM&A
評価額と実際の買収価格の違いや、買収後の価値創出の視点を与えてくれる実践書です。
企業価値の神秘
本質的な企業価値とは何かというテーマを深掘りし、概念的な思考力を養えます。
企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由
海外市場やテック企業の事例を通じ、高いバリュエーションが成立するロジックを読み解きます。
新・企業価値評価
時代の変化に応じた新しい評価の視点やファイナンスの動向を掴むのに適しています。
実務で役立つ 「企業価値評価」がわかる本
経営者や事業担当者がビジネスの現場で活用するための視点がまとめられています。
コーポレートファイナンス 戦略と実践
企業経営とファイナンス戦略の連動性を体系的に理解するための本格的なテキストです。
増補改訂版 道具としてのファイナンス
難しい数式を極力使わず、直感的にファイナンスの仕組みと企業価値の考え方を理解できるベストセラーです。
会社売却とバイアウト実務のすべて
オーナー経営者の会社売却やPEファンドのバイアウト投資における実務プロセス全般をカバーしています。
自分に合った企業価値評価の本で実務力を高めましょう
企業価値評価は、目的(M&A、会計、税務、裁判など)によって採用すべき手法や留意点が大きく異なります。
まずは基本概念を学べる入門書で全体像をつかみ、そのうえでご自身の担当業務やプロジェクトの目的に合わせた専門書を手元に置くことが、実務力を高める一番の近道です。
この記事でご紹介した書籍を参考に、ぜひご自身のレベルや目的にぴったり合った1冊を見つけてみてください。

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